はじめに

私は農業に関しては素人です。

会社員時代に農作物を育てた経験はありません。小学校教員時代は、担当した学年の理科や生活科などでじゃがいも、稲、ゴーヤ、トマト、きゅうり、なす、ピーマンなどを植えた程度です。

そんな浅い経験でも何とか「ブルーベリーガーデンいんざい」を開園の準備をすることができました。

元々目的のために自ら学び、新しい知識を得ることが大好きですので、調べたりまとめたりすることは苦にはなりませんでした。

これからブルーベリーを育ててみたい、観光農園をやってみたいと思う方の参考になればと思い、以下にまとめてみました。約2年分ですので、項目も多く長文です。詳細は遠慮なくお尋ねください。私が教えてもらったように、これからの人にお伝えしていきたいと思います。

infobginzai@gmail.com

退職を決意

我々教員は、毎年4月に異動もしくはそのまま現在の学校に残ります。したがって、前年12月に異動希望を管理職へ提出します。沸々と農業へと考えてきて、やっと12月を迎えられたときは、ホッとしたのを覚えています。そうです。12月1日に異動希望(退職)を提出しました。

農業について学ぶ必要あり?

農地(地目:畑や田)を借りる、取得する場合は農業大学校に行ったほうがいいです。無知だと役所の〇〇課に相手にしてもらえません。学んだ経験や農業(農家)での勤務経験が必要な場合があります。しかし知識を得るだけなら、動画サイトでもいいし、日本農業技術検定に挑戦するものいいと思います(私は3級保持)。

県立の農業大学校は各県にありますが、通うのが困難な方もいると思います。私はオンラインで受講できるアグリイノベーション大学校(AIC)で学びました。実際のところ、農地を借りようとしても近くにない、探しきれない、市の担当によって理解度が異なり、農地貸借は断念しました。つまり私の場合は、AICに行かなくても問題なかったという結論になります。

農地探し

農地探しにおいて、中間管理機構や市、県には期待できず、悶々と過ごす日々。
借りても途中で世代変わりして、返却するのもいやなので、取得を考える。検索キーワード「千葉県 土地」でいくつか見学に行きました。

安い土地にはそれなりの理由がある。崖の上、違法建築物がそのまま放置、道が狭いなど、自力で何とかできないので、追加資金が必要となる。

何とか10aの土地を取得できた。大きさは広大でなくていい。一人で十分に見られるくらいがベストと考えていたので、ちょうどいい。これでもう後には引けないと心に誓った。

※取得後に近隣のお宅にご挨拶に伺いました。とってもいい方で安心しました。これも大事な条件の一つです。

農地開拓(伐採)

人生初の草刈り機とチェーンソーを購入(不安があれば、講習会などもあります)。

草を刈り、樹木や竹を伐採しました。枝先は細かく刻んで焼却し、太目の枝は切り揃えて薪として保管しました。チェーンソーは使っているうちに切れが悪くなるので、目立ての仕方を学びました。このころは日々切断と焼却の繰り返しでした。

電気工事

工具のバッテリーを自宅で充電し、なくなると終了でした。そろそろ電気を引き込みたいと思い、業者さんに依頼しました。

近隣に電柱があれば、敷地へ引き込むのも容易でした。

この後、電子レンジを持ち込み、昼ごはんが充実していきました。

農地開拓(抜根と整地)

樹木を伐採した後、根が残る。人力では抜根が難しいので、バックホー(ユンボ)の出番です。

事前にバックホーの免許(正式名称 小型車両系建設機械(整地等)運転特別教育)を取得していました。

買うのは無理だし、メンテナンスも難しい。何より置き場がない。ということで、レンタルにしました。

計4日間レンタルし、抜根と整地を行いました。

他園見学(東金市 エクスファームさん)

農地を買って、整備してきた3か月。どんな形にしようかと他のブルーベリー観光農園に見学に行きました。

直接コンタクトして、年末のお忙しい時期に快く受け入れてくださいました。

こちらの農園さんは広大な敷地でしたが、整地からパイプ打ち込みなどをご家族や友人で手作りということをお聞きしていたので、とても参考になりました。自分でやると大変ですが、その分コストが抑えられる。

手作りの農園を目指すことにしました。

農地開拓(杉伐採)

チェーンソーの使い方にも慣れてきたので、15Mサイズの杉の伐採に挑戦しました。

幹から先は裁断し、その他は薪用に玉切りにしておきました。やはり大きな杉の伐採は緊張しました。

トイレ設置

排水の構造や浄化槽の知識がなかったので、調べてみました。元々下水設備がなく、論外でした。

調査の結果、浄化槽設置が80万くらい?市に申請?などの障壁があったので、農業用トイレ(アグリレット)を設置しました。組み立て式になっていて1日で設置完了。予算半分で済みました。

井戸開通

水について、近隣のお宅の方より「いつでも使っていいよ~。」に甘えて、借りていました。将来的には引かねばと思っていたので、業者選定し、作業依頼。

2日間で井戸掘り終了。動画サイトなどでは自分で…という強者もいますが、まず自分では無理。道具の準備から作業から、そもそも何メートル掘れば出るのか不明。これは業者さんに依頼してよかったと思いました。

ちなみにうちは36M掘ったそうです。しかも地中10Mで亀裂があり、2度掘り。やはり自分では無理!

防草シート張り

2M×50Mの防草シートを張りました。専用の杭を1M間隔で打つ。立って座って打つの繰り返し。

しばらく筋肉痛でした。

※注意点は重ねて張る!シートが縮み、隙間から雑草が生えてきます。刈ったり除草剤を蒔いたりする手間が大変です。鉢を移動し、追加で張る作業がとても無駄でした。

外周パイプ打ち込みとエクセル線張り

農地の面積から、必要なパイプ本数とエクセル線(丈夫なプラコード)を算出し、ホームセンターへ。

トラックもレンタルし、運びました。多少のロープワークの知識も必要です。

パイプに下穴を2か所空けておきました(上は外周用、下は防風シート用)。

穴あけドリルで600mm穴を掘り、そこに3Mのパイプを打ち込む。打った深さは800mm。そのくらいでも地中に刺さっていれば倒れることはありません。その後エクエル線を縦横碁盤の目のように頭上に張っていきます。

※エクセル線について、3mmを選びましたが、張る、結ぶのに結構力がいります。2.5か2mmでもいいかもしれません。

防風シート張り

地上2Mの高さに張ったエクセル線に防風シートをつけていきました。単管パイプにもパッカー(クリップのようなもの)で留めていきました。

他園見学(ブルーベリーファームおかざき)

この世界(ブルーベリー養液栽培・観光農園)に足を踏み入れたのは、この方の影響だな。ブルーベリーファームおかざきへ農園見学に行ってきました。まさにブルーベリー観光農園のパイオニアでした。オンラインセミナーも2つ受講し、雰囲気は何となく理解しているつもりでしたが、実際の農地はすばらしかったです。これからやりたいという方は、一度行ってみるべし。

杉としいのき伐採(くらマケ)

自分で杉の大木も伐採できました。しかし上には上がある!あまりに幹が太いものは素人では無理。けが(けがで済めばいいが)しては元も子もないということで、大木2本の伐採を依頼しました。

そこで選定したのが、「くらしのマーケット」。今の時代はタウンページではないのです。

見積もりで1回来ていただき、2日間かけて伐採してくださいました。なんとロープで登っていき、チェンソーで切断する…。やはり素人には無理でした。頼んでよかった~。

(写真の杉はもうありません)

アクアフォームとピートモス

当園は、60サイズの鉢が約200個。よそさんは、500とか1000個を超える。まあ経営規模が違うのです。

ある朝、アクアフォーム(生け花などで使うオアシスを裁断したもの)が60袋到着。異常に軽いが、でかい。このアクアフォームに水を含ませつつ、鉢に入れていく。延々入れていく。うちは200個くらい。でも終わりがみえなかったのを思い出します。ピートモス(酸性コケ)も乾燥しているので、これも水を含ませ鉢に充填していく。終わった後はズボン水浸し&アクアフォーム(緑)の粉だらけになっていました。

※作業メガネとマスクは必須アイテムです。目に入るとちくちく痛い!

苗納品と潅水システム設置

やっと苗が届きました。小さい緑の葉がわさわさしていて、かわいい。いくつかの花や実もついている。テンション上がりました。一つ一つ鉢に埋め、「元気に育ってくれよ~」と気持ちを込めました。

その後、遅れてココチップ(マルチング用)が届く。

休憩スペース完成

夏、作業をしていると暑い。日陰がない!ってことで、屋根付き休憩スペースを作ることになりました。

束石、3M木材を買い込み、作業の合間に施工しました。構想から2か月後にやっと完成。

何が大変だったかというと、一人で木材を上げ、ビスを打つ。屋根張りも高所作業なので、恐る恐るやりました。落下しなくてよかったです。

外周パイプ設置

外周の固定と防鳥シート用にパイプを設置しました。角は手曲げです。思い切り曲げました。やや歪んでいるのはご愛敬。

これが後の遮光シート張りに有効活用できるという利点もありました。

遮光シート張り

2023夏は異常な気候でした。毎日の気温が35℃超え。これは人間も植物にとっても暑い。何より園内は黒シートなので、熱気ムンムンでした。苦肉の策を思いつき、遮光シートを張り巡らすことにしました。完全に遮光ではなく、間隔を開けているので、生育には問題ないと判断しました。何より、日陰部分は過ごしやすくなりました。

支柱を立てた(強風対策)

台風(強風)で、鉢が転がるのを防ぐために支柱を立てる。多くの農園さんは、鉢の周囲(外側)に4本。

どうしようか悩んだ挙句、自分でやることにしました。しかも鉢に空いている穴を広げ、3本!

自分で注文し、自力で打ち込み、やっと609本完了しました。

ウッドチッパー登場

当園の周囲は木や竹が生えている。伐採後の木はだいたい数週間で燃えるが、青竹はそうもいかない。

そこで、ウッドチッパーを導入しました。直径5センチくらいなら、ものの数秒で裁断できました。

今までの苦労はなんだったの~というくらい快適。ただし、エンジン音がうるさいのが難点。

クラウドファンディング

2022年9月から農地改革をしてきました。少しずつ準備を進めて、整備~防草シート設置~外周パイプ建て~ブルーベリー植え~周囲の森林整備などをやってきました。

あとは、受付と飲食提供の小屋!

ここで皆さんのお力を借りるべく、人生初のクラウドファンディングに挑戦する。

果たして結果はどうなるか?!
詳しくはこちら

クラウドファンディング達成しました!

人生初のクラウドファンディングでしたが、おかげさまで達成しました。
105%、740,111円(目標は700,000円)

いやいやどうなることかと思っていましたが、皆さんの熱き想いに支えられ、目標金額を達成できました。本当に本当に感謝しかありません。
ご期待に添えるよう、誠心誠意開園準備していきます。

詳しくはこちら

電柱広告つけました。

2024.02.29
あと3か月程度でプレオープン。そこで電柱広告をつけました。
街を見ると、意外と電柱広告に目がいきます。
でも、なんだか気恥ずかしいなぁ。自分の農園がこんな感じで表示されるとは…。

まずは小屋完成です。

2024.03.13
昨年の11月にクラウドファンディングで集めた資金を基に、小屋建築をしていました。
やっと完成しました。思えば、長かった~。
手書きの設計図を何度も修正して、実物に合わせて変更してきた。
一番大変だったのは、材料調達かな。
ホームセンターに行って、レンタルトラックで何度も何度も運びました。
足りないものがあれば、また買い出しに行くという日々。あ~今となっては懐かしい。
一旦は完成ですが、内装を整えていかなくてはなりません。
そのために電気工事の勉強をして、第2種電気工事士免許を取りました。自分で思うよう
に配線を張り巡らす。

食品営業許可を取るために

2024.03.22
ブログ(https://bginzai.com/blog)にも記載しましたが、農園でとれたブルーベリーを
使って、飲食を提供したいと欲望が沸きだす。
食品営業許可を取るためには?
印旛保健所に行ってきました。
いろいろな条件があり、小屋も修正や追加工事しなければならないことが判明した。
ん~分からないことだらけ。でも一つ一つつぶしていくと心に決めた。
それとうちの農園は井戸を使っているので、水質検査が必要なんじゃと。
また新たなる課題が出てしまった。どうなる?

農園の水質は?

2024.04.10
水質検査のため、井戸水を専用容器に詰め、検査センターへ持ち込んだ。これが4/1。
その後ドキドキしながら、結果を待っていました。
1週間ほど経過して郵送で届いた。結果は…
「判定 上記水質項目については、水道法に基づく水質基準に適合」
つまり、飲んでも大丈夫ってことだよ。
やったぜ!一つクリアした。お次は小屋の内装工事に取り掛かります!

保健所の立ち合い検査

2024.06.14
飲食店営業許可を取得するために、保健所へ数回足を向けた。
相談し、工事施工してやっとこの日を迎えた。
保健所の立ち合い検査。

イメージでは、細かくチェックして、イヤミ言われて、指で埃をぬぐって(言い過ぎか)と
思っていた。
んがっ、超やさしい。めっちゃ好意的!でした。
検査は事前に提出していた書類を見ながら、確認する程度でした。
ものの10分くらいかな。すぐに終わりました。
「指摘事項なし」

あ~、やっと終わった。これでカフェ営業できますぞ!